プラスチックによる汚染を防ぐ条約の交渉の現状と展望

プラスチックによる汚染を防ぐ条約を策定するため、韓国の釜山で11月の末から12月の初めまで開かれた政府間交渉委員会は、生産規制などをめぐって合意することができず、来年改めて会議を開くことになりました。以下、東京農工大学の高田秀重教授のコメントから抜粋 です。

合意できなかったことは残念でしたが、プラスチック問題解決に向けて前進していることを感じられた、意味ある会議だったと思っています。会議に参加した170余りの国の過半数に当たる100前後の国が、有害なプラスチック製品とそれに添加されている有害な化学物質の生産と使用の禁止を求めて積極的に発言し、行動していたからです。・・・

なぜ、参加国の多くが有害なプラスチック製品とそれに添加されている有害な化学物質の生産と使用の禁止を求めたのか―。それに反対した産油国などが主張し、日本政府も実質その立場だったのは、「廃棄物管理の強化」ですが、それだけではプラスチック汚染問題を解決できないという考えが世界中の人々の間に浸透してきたからだと思います。・・・

日本もプラスチック廃棄物管理の強化が中心で、産油国と同じ立場です。会合では、プラスチックの生産量・消費量の削減と添加物の禁止などを求める国々と行動を共にすることはありませんでした。