歌人の吉川宏志氏は言っています。
「たとえば、原発の問題に真に対抗するためには、短歌が昔から表現してきた〈自然への感性〉が必要だと思います。言葉の根底に、自然環境が汚染されているという危機感があるからこそ、批判は強靭なものになります」
公害、環境を詠った短歌を中心にご紹介していきたいともいます。
3・11は原発問題に限らず、政治に対する国民の意識を変えた(変えつつある)と言われています。
歌誌「現代短歌」四月号特集・東北を詠むより
「がんばって生きてるけれど悲しみはいやされることない」風はつぶやく(岡本勝)
震災の死者は死者としそののちの自死者百二百、手だてなきごとく(柏崎驍二)
原発関連死と認定さるる人の増ゆかかる連鎖のいつまで続く(大方澄子)