神戸商船大学名誉教授 西川栄一さんのメッセージです。

(事務局コメント:いろいろの工学的な見方から原発を直ちに止めるべきとの訴えです。)

いつの間にか衆議院選挙投票日も明後日16日に迫ってきました。選挙の動向を見て、私は原発問題が最も気になります。

私は、現役時代ボイラ技術に関わっていたこともあり、原発は3月11日以来の経過を私なりに注意深く追っていますが、福島原発事故はいまも事故収束の見通しは立たず、放射能は依然漏れ続けているようで、ロボット以外は傍へ寄りつけない状態です。こんな状態が5年も10年も持ち堪えられるのか、心もとないですね。この間、除染や被害補償や廃棄物処理や、やがてはじまる廃炉処理やらで、費用は兆の単位で際限なく膨らんでいく感じで、どうなるのでしょうか。

ずっと経過を見てきて、
*メルトダウンするような重大事故になると放射能汚染被害は空間的時間的に果てしなく広がって手に負えず、重大事故は絶対に許されない
*しかし、原発技術は特異で、重大事故の可能性をゼロにはできない
*とくに地震には勝てない。日本は全土が地震多発地帯だが、2000年前後から地震活動期に入り、地震が増えるにつれて原発も地震に見舞われ始め、とうとう昨年は福島原発事故災害になった。このような地震被災も影響して2000年ごろから原発の稼働率は不安定に大きく変動するようになっている
*各原発では使用済み燃料はそれぞれの敷地内で保管されているが、数年で満杯になる状況だが、放射能廃棄物の処理処分の見通しが立っていない。 結局、原発に依存する限り、環境も安全も、そして電力安定供給も発電コストも、破綻する。電力安定供給とコストのために当分原発必要と共産党を除くほとんどの政党は言っていますが、実態は逆だと思います。

原発は直ちに止めると決断すべきだと思うようになりました。

選挙情報をみていますと、事実上原発利用継続を容認する自民党公明党や維新などが圧勝しそうな雰囲気で大変危険だと焦る気持ちになっています。対抗するには、原発政策で最も確かなのは共産党です。

ご家族の方にも是非よろしくお伝えください。

ついでにいえば、維新の会は、原発以上に危険と思っています。維新の会の政策を注意深く読むと、現憲法廃止、退職に係る規制や最低賃金制度廃止、競争教育強化、公務員など政治活動全面禁止などなど、日本全体を彼らの意のままに支配できる権力基盤を握ろうとしているからです。報道を見ていると自民党も公然と憲法改正を言い、集団自衛権を明示して外国で武力行使できるようにすると言っています。