東電は賠償・慰謝料を  福島地裁 原発事故避難者ら提訴

東京電力福島第1原発事故で避難を余儀なくされている住民40人(18世帯)が3日、東電にたいし、財産の補償や慰謝料の支払いを求め福島地裁いわき支部に提訴しました。

原告らは事故当時、避難区域である福島県双葉町、楢葉町、広野町、南相馬市に居住していた住民で、現在、同県いわき市のほか、県内外で避難生活をしている住民ら。合計約19億5千万円の支払いを求めています。

請求の内容について原告側は、避難や避難先での生活費の実費、休業や失業など、本来仕事をしていれば得られたはずの収入にたいする賠償、当面すむことができなくなった土地・建物への賠償、避難に伴う慰謝料などとしています。

原告団と弁護団は同日、いわき市内で報告会を開きました。

あいさつに立った原告代理人の米倉勉弁護士は、「被害の実相を裁判所に届け、可能な限り早期に救済の判決を勝ち取りたい」と述べました。

原告団代表の早川篤雄さん(73)=住職=は妻と一緒に、楢葉町から、いわき市内の借り上げ住宅に避難しています。「泣き寝入りを強いられている人もたくさんいる。賠償を裁判で勝ち取っていく。ぜひ支援をお願いします」と訴えました。

ほかにも、「誰かが被災者のための突破口を開かないといけないと思い参加した」「完全賠償を実現させるべく頑張っていきたい」などと決意が語られました。

(コメント  住民の要求は当然です。東電は誠意をもって対応すべきです。既に一年半過ぎても自分の家に帰れないのです。企業は社会のためにある存在です。速やかに賠償に応じるべきです。)

下記のような情報もあります。本当に腹が立つことです。

警戒区域、空き巣が前年比30倍 東電「賠償の範囲外」
2011年10月16日

東京電力福島第一原発の事故のため立ち入りが禁じられた警戒区域で、空き巣被害が激増している。9月末までの住宅の被害は、前年同期の30倍近くに達し、50軒に1軒が被害にあった計算だ。被害者からは「もともとの原因は原発事故」と東電による賠償を求める声があがるが、東電は「悪意を持つ泥棒の責任」として拒んでいる。

▽筆者:奥山俊宏
▽この記事は2011年10月16日の朝日新聞朝刊に掲載された原稿に加筆したものです。   
▽関連記事:金庫も指輪も…警戒区域の空き巣被害者「東電は賠償を」   
▽関連記事:東京電力本店からの報告  

第一原発から20キロの圏内は、3月11日夜から翌12日夜にかけて相次いで住民に避難が指示され、4月22日には警戒区域に指定され、立ち入りを禁じられた。5月10日に一時帰宅が始まると、留守宅や事務所の空き巣被害が次々に見つかった。

警戒区域の大半を受け持つ福島県警双葉署の管内(8町村、2万4千世帯余)では、今年1月から9月末までに住宅の被害届が約430件(速報値)あり、昨年同期(16件)の約27倍。9月だけで50件以上増えた。事務所などを加えた総数は600件を超す。被害総額はわかっていない。DNA型鑑定などで容疑者を特定した事件、逮捕した事件もあるが、多くが未解決だ。

白土八十和さんが経営するカラオケ店の事務所では、金庫の扉がなくなっていた=6月20日、福島県富岡町、白土さん提供

東電によると、防護服の着脱など一時帰宅を支援している社員に、被害者が問い合わせるケースが多いが、賠償の範囲ではないと返答している。文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会が8月に出した賠償支払いの中間指針が、盗難被害に触れていないためという。だが、審査会では、盗難被害を賠償対象にするか、詰めた議論はされていない。

文科省は「原則的には窃盗犯が賠償すべきものであり、中間指針では賠償の対象として明示されていない」という立場だ。ただし、個別の事情によっては、東電が賠償すべきだと認められる可能性がある、とも指摘する。

第一原発から8キロの富岡町で経営するレンタルビデオ店などが被害を受けた白土八十和(しらど・やそかず)さん(54)は「一番の原因は原発にあるわけだから、賠償の姿勢があっていいんじゃないか」と話す。福島県の金成(かなり)孝典・原子力損害対策課長も「法解釈はさまざまだが、根本にあるのは原発事故であり、被害者の実態にあった全面的な賠償を求めたい」と話している。

(刑事法研究者「東電に賠償義務あると言える可能性」とありましたが以下は読み取れませんでした。)