原子力規制委員会の敦賀原発破砕帯調査=2日、福井県敦賀市
原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理と、外部の専門家で構成する調査団は、原子炉建屋直下を走る破砕帯(断層)が、敷地内の活断層と連動する可能性が指摘されている日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)の調査を1日に続いて2日も行いました。
調査結果は、10日の調査団の評価会合で検討します。島崎氏は「(調査団全員が)ある線で一致している。10日に何らかの結論が得られることを期待している」と述べました。
2日目は、国内で唯一原発の敷地内を通る浦底(うらぞこ)断層という活断層の近くにあって、2号機原子炉直下を走る「D―1」と呼ばれる破砕帯を観察する大規模なトレンチ(溝)を詳しく調査しました。
高さ50メートル、南北40メートル、東西20メートルの大きさのトレンチの上方には浦底断層が表れており、底にはD―1破砕帯や、たい積した地層などを見ることができます。調査団は、浦底断層やD―1破砕帯、約10万年以前の地層の状態、日本原電が「小規模な、せん断面」と呼ぶ、断層の割れ目が確認できる掘削坑などで、入念に調べていました。
日本原電の調査では、浦底断層の最新の活動時期は4000年前ごろで、数万年前までの間に繰り返し動いているといいます。
1日目の調査終了後、調査したメンバーは、浦底断層について「大変、活動的な断層だ」(島崎氏)「いろいろな活断層の中で一級の活断層」(宮内崇裕千葉大学教授)「再び活動する可能性があり、すぐわきの破砕帯の判断は厳しい問題」(鈴木康弘名古屋大学教授)など、その活動性に注目する意見が相次ぎました。
現在の原発の耐震設計審査指針は、13万~12万年前以降に動いた可能性のある断層を活断層と見なし、その上に原子炉建屋など安全上重要な施設は建てられないと規定。その場合は「立地不適格」として廃炉になる可能性があります。