日本政治の中の環境問題
2006年12月8日(金)
■環境問題の起源今年
(2006年)は、水俣病が公式に記録された1956年からちょうど50年になります。1956年、この時「環境」という名称の役所はなかったのです。1971年になって、環境庁がやっと発足しました。
ここで、環境問題の起源を思い起こして見ます。
人類の歴史で初期に現れた農業社会では、土地・水利が重要な要素になっていました。そして、自然の恵みをうまく利用することが基礎になっていました。
つぎに現れた工業社会においては、機械に使われる人間という側面、自然の破壊という側面が重要になってきます。わが国での典型的な例としては、足尾銅山、尼崎などの工業地帯の土壌・大気汚染などを挙げげることができます。人間は自然に対してどのように対応してきたのかという視点で環境問題を考えることが重要です。
1956年は、開発・成長優先の社会で、「環境を享受する権利」という考えはごく少数のものでした。1968年になりますと、政府が「水俣病」を認知しました。これを契機に、水俣病は「企業犯罪」であり「政府の犯罪」であるという世論が高まりました。公害反対運動が発展する転機が訪れました。
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