日本共産党の「二〇〇八年党旗びらき」(四日)での志位和夫委員長のあいさつは、つぎのとおりです。
地球環境問題――日本政府は国際的責務を果たせ
第三は、地球環境問題が、世界でも日本でも焦眉(しょうび)の課題になっていることです。
国連IPCCの報告書をうけて、昨年十二月にインドネシア・バリ島で開催されたCOP13(国連気候変動枠組み条約第十三回締約国会議)が、二〇〇九年を交渉期限として、温室効果ガスの削減目標と対策を検討する行程表(ロードマップ)を決めたことは、地球規模での行動への重要な前進でした。しかし、温室効果ガス削減の数値目標をロードマップに書き込むことができなかったことは残念な結果でした。
数値目標を書き込むことを邪魔したとして、批判の的となったのは、アメリカ、日本、カナダでした。ここに、現地の英字紙「ジャカルタ・ポスト」に環境NGO(非政府組織)が掲載した意見広告の写しをもってまいりました。タイタニック号を思わせる船に、アメリカのブッシュ大統領、日本の福田首相、カナダのハーパー首相の三人が乗り込んでいる。「(削減)目標なし、(温暖化で溶けて)氷山なし、地球規模の災害だけが、すぐにやってくる」と痛烈な批判が書かれています。
この問題では、発達した資本主義の国で、二つの流れのコントラスト(明暗)がはっきりあらわれました。
一方で、“日米環境破壊同盟”ともいうべき孤立した逆流があります。日本は、京都議定書で世界に約束した(温室効果ガスを一九九〇年比で)6%削減という目標を達成するどころか、逆に6・4%も増やしています。日本経団連の「自主行動計画」にまかせ、経済界と削減を義務づける協定を結ぶことを怠ってきた政治の責任がきびしく問われます。
他方で、欧州諸国は、企業との協定、規制などにより、大幅削減に踏み出しています。イギリスでは京都議定書の目標値8%減に対して14・8%減、ドイツでは目標値8%減に対して18・4%減をすでに達成するなど、欧州諸国はのきなみ目標を達成し、さらに大幅削減に踏み出そうとしています。「ルールなき資本主義」と、ルールある経済社会をつくりあげてきた欧州との対比は、歴然としているではありませんか。
途上国は、中国を含めて行動を開始する方向に大きく舵(かじ)を切りました。途上国の平等な発展権を保障しながら、この問題をどう解決するか。これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄という社会の型を転換することも含め、人類的英知が求められる問題です。そして、資本主義体制、社会主義を目指す流れの双方が、人類社会を担う資格があるかどうかが問われる問題です。ただ現状でも、すでに判定の下った問題があります。それは環境までも市場まかせにする「ルールなき資本主義」――「新自由主義」には、人類の未来を担う資格はないということであります。
日本共産党は、日本政府に対して、京都議定書の議長国として、地球環境を守る国際的責務を果たすことを強く求めるものであります。
貧困と格差、投機マネーの暴走、地球環境の破壊――どの問題でも、このままつづければ日本国民の生存と存続を危うくし、さらには人類の生存を危うくするところまで、「ルールなき資本主義」のゆきづまりと破たんは深刻です。どの問題でも、わが党の綱領が示す、経済的民主主義の改革――大企業に社会的責任を果たさせ、ルールある経済社会を築くという、経済政策の大転換が切実に求められていることを強調したいし、そのために力をつくす決意をのべるものであります。